残業の無い会社作りへの一歩・中小企業も残業割増賃金引上げへ「残業削減」

残業の無い会社作りは企業・社員共にwin-win

  令和5年4月1日より中小企業も含むすべての企業で、月60時間を超える残業時間に対する割増賃金が1.5倍となります。

法定外労働時間へは通常1.25倍の割増を支払う必要がありますが、残業が多い企業様は更に負担が拡大してしまいます。

そこで、今回は企業における残業の在り方についてご紹介した上で、今後残業を無くしていく為にできることをご紹介していきます。

1,残業が多い状況は会社へ大きな負担と損失

 現在、中小企業の多くの企業様が人手不足に悩まれているかと思います。

当法人でも人材の不足についてのご相談が急増しており、人手不足の状況を痛感しております。

その結果中小企業の間では未だに残業の削減が出来ずに困ってらっしゃる経営者様等も多くいらっしゃいます。

しかし、本来仕事は所定労働時間内で行い多忙を極める時に限り残業が発生するというのが通常であり、残業が無ければ回らない状況は好ましくありません。

諸外国では残業を行うことは”特別”なことであり、残業が多く発生している状況は生産性が悪いとみなされる風潮もあります。

 さらに、残業が多くなっている企業様は大きな損害を被っている可能性にお気づきでしょうか?

1,残業代の発生

2,従業員疲労による生産性低下

3,人材の流出・及び確保コスト増

 これらは一例ですが、今一度順番に確認してみましょう。

一つ目の残業代の発生は、令和5年4月1日よりさらに重要度が増してまいります。

1日8時間、週40時間を超えた労働時間は原則法定外労働となり、1.25倍の賃金を支払う必要が発生します。

更に、法定外労働時間が月60時間を超えた場合、1.5倍の賃金を支払う必要が発生するようになります。

例えば、1日8時間×6日勤務の場合計48時間となり8時間分は1.25倍となります。

時給1,000円の従業員の場合 40時間×1,000円 + 8時間×1,250円 =50,000円

残業代分として2,000円発生しております。これが4週だと仮定して月8,000円

10名が同じ状況だとすると、月80,000円も残業代を支払う状況となります。

このように残業代は人件費上でも非常に大きな金額となってしまう場合が多く、合計してみると想像を超えている場合も少なくありません。

続いて、二つ目の従業員の生産性低下については、精神・身体両方の疲労が関係してきます。

様々な研究で人間は長い時間労働を行った場合生産性の低下が認められる結果が出ており、これにより大きな損害を受けている可能性もあります。

人は労働者である前に人間であり、機械のように働き続けることは困難です。

また、本人の認識以上に身体や精神は疲労しやすく、従業員自身も残業により生産性が低下している可能性に気づけない場合もあります。

生産ラインの従業員様を例にすると、8時間まで1時間に10個作成できた方が9時間目には9個、10時間目は8個しか作れなくなるイメージです。

生産性は落ちているにも関わらず、その時間には割増賃金が発生している状況になるのです。

また、オフィスワーカーの場合でも徐々に生産性が落ち”ミス”も目立つようになるだけでなく、最悪の場合突如会社に来なくなってしまう場合も少なくありません。

ここで、3つ目の人材流出や新規雇用難が出てきます。

現在多くの企業では働き方改革が進んでおり、残業時間の少ない企業も多くなっています。

残業時間が少ない=業務量が少ないのではなく、生産性を挙げているためこのような企業に限って給料が高い場合も多く、人材獲得競争が激しい中残業時間が長い企業は圧倒的に劣勢の見方が強くなっています。

より環境の良い企業への流出や、そもそも残業が長いということで新規雇用が難しくなる、結果的に人手不足や良い人材が来ないことに繋がり会社としての経営に負の連鎖を与えてしまいます。

 残業時間の削減はこれらのマイナス点を改善する上で非常に重要で、大企業だけでなく中小企業でも取り組まれている企業が増えています。

残業時間が長ければ長いほど生産性は落ちてしまい、一方で支払う賃金は増えてしまいます。

2,残業時間を無くすための基礎事項

 ここまで、残業時間を削減することの必要性で長くなってしまいましたが、ここから残業時間を削減する基礎ポイントをご紹介します。

1,労務環境整備

2,電子化

3,業務見直し

 これらは、基本的な事項ですがひとつづつ確認してみます。

まず、労働環境の整備ですが、残業が発生する根本的な原因として労務管理が問題になるケースが多くあります。

そこで、一度労務管理を見直すことで根本的な原因を修正する必要があります。

この点に関しては、社労士等にコンサルを依頼することでスムーズに進む場合もございます。

2つ目の電子化は今後非常に重要になってくるポイントとなります。

労務管理に関する電子化も非常に進んでおり、当法人でも効率化を進める為に電子化のご提案を数多くさせて頂いております。

労務管理以外にも様々な点で電子化への取り組みを進めることで生産性を大きく向上させることが可能となります。

これから電子化は確実に進んでいく為、電子化の進み具合により企業の競争力が大きく変わってしまいます。

既に、国際競争では電子化の遅れや生産性の差により大企業でも日本企業が負けてしまう場面が多々見られますが、今後は国内の企業間での競争が大きくなっていきます。

そして、労務環境と電子化を行う上で3つ目の業務の見直しを行うことが可能になります。

特に電子化をする場合多くの業務フローを抜本的に改革する必要がありますので、初期段階では負担も大きいかもしれませんが、残業時間の削減・生産性の向上に繋がることで企業としてもより一層の発展が期待できます。

過去のやり方にも良い所がある場合も少なくないため、新しい手法との融合を図れる点を探る必要があります。

3,専門家への相談も有効的です

 残業時間の削減について経営者様、管理者様皆様で進めることももちろん可能ですが、この記事に記載している内容以外にも様々なご提案を進めていくのが私たち専門家の役立つ所かと考えております。

各企業様にて取り組みを進めて頂き、途中つまずいてしまった場合や最初からご一緒に取り組みをご希望の場合は是非ご相談ください。

樋口社会保険労務士法人は一般的な労務管理・社会保険に関する手続き業務だけでなく、企業様の成長パートナーとして様々なご提案をさせて頂きます。

積極的な電子化や、他士業との綿密な連携により経営者様・担当者様のお悩みに総合的にお答えできる体制を進めております。

ご不明な点も多いかと思いますので、まずはお気軽にご相談ください。

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