なぜ中小企業の退職金は少ない?その理由と人材確保のために必要な対策とは
キーワード:
- 中小企業 退職金 少ない
- 中小企業 退職金 平均
- 退職金 制度 不足
- 中退共 導入 メリット
- 福利厚生 中小企業
「うちは退職金なんて出せない…」はもう通用しない?
「退職金がある会社に転職したい」
そんな声が、就職・転職市場で年々増えています。
一方、中小企業では「退職金制度がない」「あっても金額が少ない」という現状が多く見られます。
では、なぜ中小企業は退職金が少ないのでしょうか?そしてそれは本当に仕方のないことなのでしょうか?
この記事では、中小企業における退職金事情を明らかにするとともに、制度整備の選択肢や人材確保との関係について、社会保険労務士の視点で解説します。
中小企業の退職金、どれくらい少ない?
まず、実際の退職金平均額を確認してみましょう。
■ 退職金の平均額(大卒定年退職の場合)
企業規模 | 平均退職金額 |
---|---|
大企業 | 約2,200万円 |
中小企業 | 約1,100万円 |
※中小企業庁/東京都産業労働局等の資料をもとに社労士法人で再編集(令和最新版)
金額で見ると、大企業に比べて中小企業の退職金は半分程度。
さらに「退職金制度そのものがない」中小企業も珍しくありません。
退職金が少ない・ない理由とは?
① 法的義務がない
退職金は「支払義務のある制度」ではありません。
そのため、制度整備の優先順位が下がり、後回しになるケースが多く見られます。
② 資金負担への不安
「いつ払うかわからないお金を積み立てるのが不安」「利益が出てから考えたい」など、キャッシュフローの懸念から制度導入をためらう企業も多いです。
③ 制度設計のハードル
「どんな制度にすればよいのか分からない」「毎年見直すのが面倒」といった理由から、制度導入そのものに手が付けられていない場合も。
退職金制度がないと起こる3つのリスク
① 優秀な人材が採用できない
求職者は「将来の安心=退職金制度」の有無を重視しています。
退職金制度がある企業は、人材確保力が高い傾向にあります。
② 離職率が上がる
「退職金が出ないなら転職したい」という社員が増加し、中堅人材の流出を招く恐れがあります。
③ 経営者の“引退時リスク”
経営者自身の退職金準備をしないまま高齢を迎えると、事業承継や資産の清算がスムーズに行えないケースがあります。
解決策:中小企業でも導入しやすい退職金制度とは?
中小企業におすすめなのが、次の2つの公的制度です。
① 中小企業退職金共済制度(中退共)
項目 | 内容 |
---|---|
主体 | 国(勤労者退職金共済機構) |
掛金 | 月額5,000円~30,000円(全額損金) |
メリット | 簡単導入・直接支払・国の助成あり |
→ 小規模でも始めやすい退職金制度。掛金の助成もあるため導入時のハードルが低いです。
② 確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)
項目 | 内容 |
---|---|
主体 | 民間機関/企業導入型 |
掛金 | 企業+従業員の積立可能(節税効果大) |
メリット | 従業員の資産形成意識を高められる |
→ 若手従業員へのアピールや、自分で積立したい志向の強い世代にも有効です。
制度導入は「コスト」ではなく「投資」
退職金制度は確かに「お金がかかる制度」です。
しかし、社員のモチベーション維持、定着、人材確保、経営の安定化など、長期的な経営効果を考えると、それは間違いなく「未来への投資」です。
「退職金制度を整えたい」と思ったら
当法人では、以下のサポートを行っています:
- 現状分析と必要額の試算
- 中退共や確定拠出年金などの制度比較・選定
- 制度導入手続き代行
- 従業員への説明会サポート
「退職金制度が必要なのはわかるけど、何から始めればいいか分からない…」
そんな企業こそ、ぜひ一度ご相談ください。
まずはお問い合わせください050-5799-4555受付時間 9:00-11:30
13:00-16:30 [ 土・日・祝日除く ]